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2007年6月定例会 代表質問…渋谷議員

◆渋谷明治 日本共産党市議会議員団を代表して,市長と教育長に質問いたします。
 この6月定例会は,我が新潟市が政令指定都市になって初めての議会であり,政令市議選後の初議会でもあります。本市は合併して,県内3分の1強の81万余の人口を有する市となり,その市政運営は全県民にも大きな影響を与えるものと思います。そのことを踏まえて,平和と暮らしの問題を中心に質問いたします。



 質問の第1は,暮らし,福祉,医療,介護,地域産業などを優先する政令市づくりの問題についてお伺いをいたします。
 6月8日付の新潟日報は,共同通信社による生活関係に深い中央省庁の事務次官を対象に行ったアンケートの結果を報道しています。「所得,雇用で格差が拡大している」「地方の医師不足など,国民生活の最低保障の公平性を危ぶむ声も上がった」と報道されていますが,市長はこの所得,雇用の格差をどのように認識しているか,まず最初に伺っておきたいと思います。
 先ごろ報道された警察庁の2006年度のまとめでは,1年間に日本国内の自殺者は前年より1.2%,397人減ったものの,3万2,155人と9年連続で3万人を超えたとされています。その中で,学生,生徒の自殺は2.9%,25人ふえて886人で,統計をとり始めた1978年以来最悪となりました。自殺の原因・動機別では,健康問題が全体の半分近くの1万5,402人,経済生活問題等では1万466人となっています。県内の学生,生徒の自殺は6人ふえて19人,自殺者総数は794人で,前回より18人増。遺書を書いた248人中,経済問題が原因となったのは62名だったとのことです。
 9年連続で3万人余の自殺者は,格差社会のあらわれの一端ではないか,新潟市の現状とその対策について伺いたいと思います。
 今医療難民,介護難民,ネットカフェ難民という言葉がマスメディアをにぎわしております。この難民は,財界と自民・公明政権,民主党が一体となって進めてきた構造改革の名による雇用,社会保障の破壊がもたらした犠牲者と言えるのではないでしょうか。ところが,それらの人々を政治と行政が見捨て,切り捨てる棄民政治が進行しています。
 医療難民ですが,高過ぎる国民健康保険料が払えず,全体の2割,480万世帯が滞納しています。1年以上滞納し,保険証を取り上げられた世帯は35万にもなります。全日本民主医療団体連合会の調査では,この2年間で保険証を取り上げるなどで病院に行くのを我慢したことで29人が亡くなっています。
 2005年6月,自民・公明与党と民主党の賛成による改悪介護保険法の成立は,介護難民と呼ばれる事態を生み出しています。慢性的な病気を抱える高齢者が入院している38万床の療養病床を2012年3月末までに15万床に削り込む計画です。これに向けた医療改悪法を昨年6月,自民・公明与党が強行成立させました。同年10月から介護施設の居住費や食費を保険から外し,利用者に年間40万円の負担を押しつけました。この影響で,厚生労働省の調査でも30都府県で1,300人が退所しています。また,福祉用具の利用者は28万人も減少し,介護ベッドを利用する軽度者は26万4,000人も減少し,貸しはがしが深刻であります。
 生活保護も,破産した人は保護を受け付けないと否定された札幌市の例があります。生活保護法は,国民の申請権を認めています。それを拒否するのは違法です。ところが,国の出した手引や通達をもとに,申請拒否が相次いでいます。会計検査院の調査では,生活保護相談数のうち申請を受け付けたのは30.6%しかありません。申請を受け付けない一方で,生活保護を受けている人に保護の辞退届を書かせた埼玉県の例も出ています。
 憲法第25条は,生存権の保障を国に義務づけています。それに反するような国の悪政に反対し,改善を求めることが必要ではありませんか。
 市民の暮らしを守ることが自治体の役割です。しかし,今の市政ではそれに反する事態が進んでいます。後でも述べますが,市民の負担は我慢も限界,ずっしりと重くなっています。2006年,7年度と連続した負担増で,市民税が63億円,国民健康保険料が23億円,介護保険料が19億円,合計105億円もの負担が市民に振りかぶさりました。
 ところが,これだけの負担に耐えても,市民の暮らしはよくなっていません。幾つかの事例を申し上げます。先ほど市民クラブ代表の志田議員が指摘されたように,子供も地域も危ない学校耐震化のおくれ,小・中学校の耐震化率は39.4%で,県内35市町村中23位という状況です。地域住民の要望の強いコミュニティセンター,公民館の改修も,「お金がない」と改修できない。周辺の県庁所在地からも大きく立ちおくれた商工予算,前橋市の商工費は155億円,予算に占める割合は12.4%,富山市は180億円,10.9%,長野市で109億円,8.3%ですが,新潟市の商工費は99億円,予算に占める割合は3%で,この8年間で3分の1に減りました。
 市民には負担と我慢を押しつける一方で,大規模開発には大盤振る舞いです。約1,500億円もの税金をつぎ込む新潟駅の連続立体,駅周辺整備事業は,駅を2階に上げても道路開通は20年後,渋滞解消は50年後には効果を発揮するというもの。市の中心部に湯水のように税金を投入し,周辺部は後回し,地域間格差を一層拡大させます。予算編成時には「財政も厳しい」と市民の願いに背を向け,年度末には数十億円の不用額や基金の取り崩しを中止して,大型事業に伴う借金の後年度負担に備える財政運営が常態化しています。
 大型開発を見直し,市民の暮らし優先の市政に転換することが求められているのではありませんか。現在の市の財政力でも,お金の使い方を市民本位に変えれば,市民の暮らしの改善ができます。差し当たり,一つ,生活保護世帯の法外援護の切り下げをやめ,もとに戻すこと,二つ,就学援助制度の縮小をやめ,もとに戻すこと,三つ,母子家庭への児童扶養手当の支給制度をもとに戻すよう国に働きかけるとともに,市独自にでも支給することの3点の実現を求めます。2年連続で市民に押しつけられた住民税増税分,63億円を市民生活への支援に充てれば,十分できる規模のものです。これらについての御答弁を求めます。

 次に,市職員の昼休み時間短縮問題についてお伺いいたします。
 この問題で,「客足が激減した」と市役所周辺飲食店の有志が先月,1時間の昼休み復活を求めて市長に嘆願書を提出しました。周辺飲食店のアンケートでは,客足の減少は売り上げを激減させ,廃業や従業員の解雇に至ったケースも紹介され,深刻な事態に至っています。人事院勧告に従うのは結構ですが,人事院が地域経済に責任を負っているわけではありません。盛んに行われている公務員攻撃に,無批判的に便乗することの危険性をこの事態は示しているのではないでしょうか。早急に1時間の昼休みを復活させるべきです。市長の答弁を求めます。



 質問の第2として,住民税の大増税中止,消費税増税計画の中止を求め,逆立ち税制の転換を国に求めることについてお伺いいたします。
 まず,これまでの2倍以上の負担となっている住民税の大増税の中止を求めることについてです。
 6月に発送された住民税の通知を受けた市民から,「勘弁してください」「もう買い控えですね」「景気が悪くなりそうです」等々の声が上がっています。市役所や区役所には市民から怒りの声や問い合わせが殺到しているとも聞いています。ことしは,所得税と住民税の定率減税が全廃され,そこに国から地方への税源移譲が重なり,大半の市民が2倍以上の大増税となりました。合わせて3兆4,000億円の増税です。所得税との税源移譲分を差し引いても,1兆7,000億円もの負担がふえています。
 定率減税を廃止し,増税した口実の一つは経済状況が改善したから,もう一つの口実は年金財源の確保です。公明党は,100年安心の年金を掲げ,基礎年金の国庫負担の引き上げを実現するためには定率減税と年金課税の見直し以外にはないと主張し,定率減税廃止の旗を振ってきました。ところが,既に定率減税の見直しや年金課税強化が実施されているのに,基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1へ引き上げるための財源は,必要な額の2割弱,5,000億円しか手当てできていません。これでどこが100年安心なのでしょうか。
 私は,勤労国民の経済状況はよくないのに増税し,また年金の財源のためにもなっていないのに増税されたと思いますが,市長の認識はどうでしょうか,お伺いをいたします。
 自民,公明両党は,定率減税を廃止する一方で,同時に導入された法人税率引き下げや所得税の最高税率引き下げなど,大企業・金持ち減税はそのままにしています。それどころか,2007年度の税制改正では,大きな設備を持つ大企業に有利な減価償却制度の見直しや証券優遇税制の延長で,大企業と大金持ちには定率減税廃止による増税額に相当する1兆7,000億円を減税することを決めました。
 大企業は,空前の利益を上げているのに減税する。庶民には増税を押しつける。これは,逆立ち税制ではないか。市長の見解を伺います。
 また,政府,与党は大増税を自分で決めておきながら,増税は税源移譲の影響にすぎず,増税ではないと大宣伝していますが,こうしたごまかしは国民を愚弄するものです。既に実施された増税分は,戻し税方式で国民に返すことを求めます。その財源は,大企業や大資産家への減税を中止すれば賄えます。市長の見解を伺います。
 次に,消費税増税計画の中止を求めることについてであります。
 安倍首相は,消費税も含め,税制改正に踏み込むと述べ,政府の財政諮問会議は,この秋以降に消費税増税を含む税の抜本的改革を論議するとしています。消費税が創設されたときも,税率が引き上げられたときも,増税勢力は社会保障のためと宣伝してきました。消費税が導入された1989年から2006年までの19年間,国,地方合わせた消費税の収入は累計すると188兆円で,国民1人当たり150万円になります。大きな金額です。
 では,消費税導入で社会保障は少しでもよくなったのでしょうか。例えば医療制度では,サラリーマンの健康保険の窓口負担は1割でしたが,消費税が増税された1997年には2割負担にふえ,2002年からは3割と負担が多くなる一方です。高齢者の負担もふえ続けてきました。年金では,厚生年金保険料のサラリーマンの年収に対する負担率は,消費税導入時の1.5倍にふえました。年収500万円の人なら,約12万円もの負担増です。その一方で,年金の給付水準は引き下げられてきました。介護保険も,障がい者福祉も,生活保護も,改悪が繰り返されています。市長の認識を伺います。
 問題は,国民の納めた消費税がどこへ消えたかということです。政府は,消費税を増税する一方で,大企業の納める法人税率を消費税導入前の42%から30%まで引き下げました。地方税である法人事業税の税率も12%から9.6%に引き下げられました。この結果,法人3税の税収は19年間で累計159兆円もの減収になっています。国民から消費税188兆円取り上げた分は,法人3税の減収分の穴埋めにほとんど消えてしまったことになります。消費税は社会保障のためと言うが,実態はもうかっている大企業の法人税減税の穴埋めに充てられているのではないか。また,このような消費税増税計画は中止を求めるべきでありませんか。市長の見解を伺います。
 これまで申し上げてきたように,消費税導入以来,政府,与党は財界の求めに応じて大企業と大資産家へは減税を続ける一方,庶民には増税を押しつけてきました。まさに逆立ち税制であります。日本共産党は,こうした不公平,不条理な税制を改めるため,全力を尽くします。市民を代表する市長も,この逆立ち税制を改めるよう国へ働きかけるべきだと思いますが,市長の認識をお伺いいたします。



 質問の第3は,憲法を暮らしに生かし,安全,安心の政令市を目指すことについて伺います。
 安倍自公政権が改憲手続法を強行し,憲法問題は新たな局面を迎えています。この改憲手続法は,公務員や教育者など広範な国民の投票運動を不当に制限し,最低投票率も定めず,少数者の賛成でも憲法を変えることができるという反民主的な実態が明らかにされ,完全に破綻しました。衆議院では他の重要法案の半分の時間しか審議されず,参議院ではわずか1カ月足らずしか議論されなかった。参議院では中央公聴会も開けず,最低投票率を検討するなど,手続の根幹にかかわる問題で18項目に及ぶ附帯決議をつけざるを得ませんでした。
 憲法改定の是非は,主権者国民の最も大切な主権の行使です。その手続を決める法律がこのようなやり方で強行採決されたことに,腹の底から怒りを感じます。強行した自民党,公明党,まともな審議抜きの採決日程に合意し,強行採決に事実上手をかした民主党の責任は重大だと思いますが,市長の見解を伺います。
 また,この改憲手続法の成立を機に,改憲派は3年後の改憲案の発議を打ち出しています。安倍首相は,自民党の新憲法草案の内容を訴えて戦うと宣戦布告し,半年以上不在だった自民党憲法審議会会長に中山太郎衆議院憲法調査特別委員長を据え,同党の中川秀直幹事長は,改憲案を国民から公募したいと機運をあおろうとしています。しかし,世論は改憲賛成が減少しております。改憲を提案してきた読売新聞の世論調査は,改憲賛成が3年連続で減少し,9条改正も反対と不要が56%です。朝日新聞や共同通信の調査でも同じような傾向が出ています。
 日本海が平和でなければ,市民の安心,安全はありませんし,発展もありません。市長は,平成15年12月議会の目崎議員の質問に対し,「憲法9条の改定に賛成できません」と答弁されていますが,18年12月の山田議員に対する答弁は,9条については「基本的に尊重すべき」と答弁に違いが出ています。改憲発議のスケジュールが焦点となっている今こそ,市長は憲法9条を守り抜く姿勢を明確にすべきではありませんか。答弁を求めます。
 また,市主催のことしの憲法記念市民のつどいは,近年になくよい内容だとの評価がありますように,憲法の尊重にとどまらず,暮らしの中に生かす政策の推進を求めるものであります。
 次に,違憲,違法な自衛隊の国民監視活動の中止を求めることについて伺います。
 先ごろ日本共産党が公表した陸上自衛隊情報保全隊作成の内部文書は,各界に衝撃を与えています。情報保全隊による国民監視は,イラクの自衛隊派兵に対する反対運動にとどまらず,医療費負担増の凍結,見直し,年金改悪反対,消費税増税反対,国民春闘,小林多喜二展などあらゆる国民運動に及び,監視の対象も映画監督,画家,写真家,ジャーナリスト,マスメディア,宗教団体などに及んでいることが明らかになったからです。この文書の信憑性は,久間防衛大臣も「つくられたような気配はない」と述べざるを得ず,自衛隊の国民監視の何が悪いと居直っているのですから,ほぼ確定した事実と言うべきでしょう。
 軍事組織である自衛隊の部隊が日常的に国民の動向を監視し,その情報を系統的に収集していることの是非が問われます。国民運動への監視活動は,憲法第21条が定めた集会,結社及び言論などの表現の自由を侵害する行為です。報告書に個人名を記載し,デモ参加者などの写真撮影が行われたことは,憲法第13条が保障する個人のプライバシーに対する侵害行為です。宗教団体への監視活動は,憲法第20条が定める信教の自由に対する侵害行為です。地方議会に対する監視活動は,憲法第8章が定める地方自治に対する軍事権力による介入であります。
 このように国民を監視する情報保全部隊の活動は,憲法をじゅうりんし,自衛隊法にも根拠のない違法なものであり,直ちに中止されなければなりません。日本を代表する文筆家団体である日本ペンクラブは,15日,自衛隊の監視活動に抗議し,直ちに中止を求める声明を発表しました。市民の代表であり,ジャーナリスト出身の市長として,この問題をどのようにとらえているのかが問われているのではないでしょうか。政府及び関係機関に抗議し,陸,海,空の自衛隊に設置されたすべての情報保全部隊の活動について全容を明らかにし,活動中止を求めるべきだと思いますが,市長の見解を伺います。



 質問の第4は,非核平和都市の取り組みについてであります。
 一昨年行われた非核平和都市宣言は,核の不拡散を強調し,核廃絶の宣言となっていないことや非核三原則を宣言からのけるなど不十分な点はあるものの,この宣言を契機に本市が非核自治体協議会に加入したことは大きな意義があるものと思います。
 市長は,非核の政府を求める新潟県民の会の代表と懇談されて,「東北アジアの6カ国中4カ国に「日本海を非核平和の海に」が新潟市の立場だと伝えてきた。市民への浸透がこれからも大切だ。東北アジアの非核平和の立場で広島,長崎と連携を強め,世界に非核平和を発信したい」と述べ,さらに「広島の平和祈念集会には旧白根市以外の子供たちも参加できるように」と言明されたと聞いています。
 広島市,長崎市の平和祈念集会に子供を派遣する事業を全市に拡大すること,また全国各地の取り組み状況をつかみ,原爆写真展や上映会など,非核平和事業の推進を強めるべきと考えます。御答弁ください。



 質問の最後は,侵略戦争と植民地支配を正当化する青年会議所作成のアニメ「誇り」を教育現場に持ち込ませないことについて,教育長に伺います。
 文部科学省の委託事業として,日本青年会議所が作成したアニメ「誇り」を補助教材とした近現代史教育プログラムが各地の中学校などで行われていることが国会で明らかになりました。このアニメのストーリーは,若くして戦死した靖国の英霊が現代にあらわれ,自分の子孫である女子高校生に一緒に靖国神社に行ってみないと誘い,日本の戦争は自衛のための戦争,アジアの人々を白人から解放するための戦争だったと語りかけるものです。加害の事実に触れず,日本がアジア諸国を助けたと描き,日本人の戦争への反省はGHQによる洗脳の結果と説明されており,マスメディアからも「教育現場からは「一面的な内容で違和感を持った」といった声が上がっている」,朝日新聞8日付に報道されています。
 この靖国DVDとも言うべきアニメが文部科学省の委託事業として採用され,教育現場に持ち込まれようとしていることは,日本の植民地支配と侵略戦争への反省を明らかにした終戦50周年の村山首相談話など,政府の立場に反します。そうであるからこそ,伊吹文部科学大臣も国会答弁で「私が校長なら使わない」と答弁せざるを得なかったのであります。
 このような事業が文部科学省の事業として採用されたこと自体が異常です。アニメ「誇り」を新潟市の教育現場に持ち込むことを許さない立場から,次の3点について教育長の答弁を求めます。
 一つ,市内の学校,教育現場における近現代史教育プログラムの実態を掌握し,公表すること。
 二つ,市内の学校,教育現場へのアニメ「誇り」の持ち込みや上映会などの事業をやめさせること。
 三つ,文部科学省に対して,アニメ「誇り」を使った委託研究事業の認可を取り消し,上映活動の中止を求めること。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
 訂正させていただきます。市職員の昼休み時間短縮問題のところで「廃業や従業員の雇用」と発言したようですが,「廃業や従業員の解雇」と訂正させていただきます。失礼しました。(当該箇所訂正済み)(拍手)