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通告に従い、篠田市長に質問します。
先週、国際啄木学会が新潟で開催されました。100年たったいまも多くの人を魅了しつづける石川啄木。啄木は詩歌と評論にその天才ぶりが発揮されているといわれます。啄木が1910年(明治43年)に書いた論文に「時代閉塞の現状」があります。25歳のとき、新聞社の校正係をしながら、やっとくいつないでいたころの論文です。「時代閉塞の現状」で啄木は、当時の青年をしめつけ、無気力にさせる社会を憂えています。「大学を出ても、彼らの半分は職を得かねている。彼らよりはるかに多数の青年は、一生涯いくら勤勉しても安月給しか許されない。そこで今『遊民』という不思議な階級が増えつつある」。現在と変わらない、昔話と片づけられない風景です。啄木は、そんな現実をぬり固める「強権」、圧制者こそ悪の根源だとして、こう宣言します。「我々は今最も厳密に、大胆に、自由に『今日』を研究して、そこに我々自身にとっての『明日』の必要を発見しなければならぬ。必要は最も確実なる理想である」。私は、この想いを込めて、以下、市政の当面する課題について質問します。
最初に、政令市が抱える構造的問題に対する市長の認識について、高い失業率と雇用問題、深刻になる国保財政と運営、県との二重行政の弊害と財源不足の三つの角度から質問します。高い失業率と雇用問題です。96年度以降の失業率の上昇、地域経済の低迷と雇用情勢の悪化は政令指定都市が所在する道府県で「厳しい状況が続いていること」を総務省が初めて公表しました。今年8月には政令指定都市の市長13名連名で、雇用対策に関する要望書を政府に提出しました。「大都市においては、企業や人口の集中、大都市特有な雇用問題を抱え、迅速かつ適切な対応が求められている」「雇用政策における、権限委譲について明確にされておらず、必要な財政措置もされていないことから、独自の雇用施策の検討に苦慮している」。これが現状です。
次に、深刻になる国保財政と運営です。政府の社会保障予算の削減は政令市の国保制度にも深刻な影響を及ぼしています。札幌市が01年度に発表した「保険料賦課方式の見直しについて」では、札幌市の現状として1)厳しい不況の反映で加入世帯の平均所得が急速に低下していること。2)保険料の法定軽減世帯が著しく増加していること。3)応能割世帯の割合が減っていること。など低所得者層の増加を指摘し、保険料収入と一般会計繰り入れ(平成13年度予算で139億円を繰り入れ)では国保財政維持がもはやできないと窮状を訴え、低所得者増加のなかで、保険料収入と自治体負担だけでは、もはや国保事業そのものの運営がむづかしいとしています。
次は、県との二重行政の弊害と財源不足の問題です。今年5月、さいたま市で指定都市市長会議が開催されました。その会議録は政令市の現状を知るうえで参考となります。仙台市長は指定都市の現状について、「現実的には県と指定都市の二重行政のような状況が、特に顕在化しつつある。しかも問題が多様化している現実に逢着しているのが実情」。広島市は「広島市の場合、約5300人の教職員の人件費で約300億円の負担が生じていて、この財源確保は、非常に厳しい財政状況のなかで、捻出することは非常に困難な状況になっている」と率直に語っています。さらに大阪市長は「大阪市の場合、基礎自治体として市民は260万人だが、毎日130万人から140万人が入ってくるので、400万人の都市基盤づくりをしなければならない。大阪市内で税金と名の付くものが毎年5兆円あるが、交付金、補助金を加算しても、大阪市が使えるのは、1兆4千億円であり、3兆6千億円は国税、府税で毎年消える。全体の25%ほどしか使えないので、税金を戻してもらいたい」。京都市長は「現在の指定都市制度は、大都市制度の諸問題に迅速かつ的確に対応できず、既に制度疲労を来たしている」。千葉市長は「今は県との関係が非常に難しい。現在の制度で本当は大都市に税源が不足していて、権限と見合っていない」。福岡市は「河川、福祉の負担とか、一般市に比べて非常に厳しい態度で県も来るので、なかなか言うことは聞いてくれない」等、政令指定都市制度自体そのものが時代にそぐわなくないとして、市長自らその改善を求めています。政令指定都市を唯一絶対だとする議論はこれだけを見ても、現実を見ない議論といわれても仕方ないのではありませんか。
合併推進を唱える人は、政令市になれば、新潟市が抱える課題が解決し、将来の不安が解消されるように描いています。だが、何もその具体的な根拠を示していません。むしろ周辺市町村を吸収合併し、政令市になった方が、その負担やリスクが大きくなることは明らかなのではないでしょうか。確かに新潟市は現在多くの問題を抱えています。しかし、合併して政令市になったところで、問題の解決に結びつく保障は全くありません。むしろ、問題が大きく、深刻になる可能性があります。それぞれの都市にはそれぞれが抱える問題があります。そうした問題を解決する努力を捨てて、行き先の具体的な展望も示さずに、単に今の問題を別のところとガラガラポンしてしまえばよくなると、抽象的なイメージだけで市民を惑わそうとする姿勢は、無責任といわれるのでありませんか。それとも、この問題を否定できる具体策を市長はお持ちなのでしょうか。市長の答弁を求めます。
次に21世紀をめざす市政と政策課題について質問します。日本の社会が克服すべき課題として少子高齢化の問題があります。このまま少子化が進めば、日本の人口は100年後に二分の一になるとの人口予測もあります。人口や産業が減る。この事が、国民生活の低下や地域経済の衰退につながらないようにするには、何が必要かが問われる時代です。本市では都心部の活性化、雇用創出が大きな政策課題ですが、住宅政策にその戦略性が見えません。長引く不況、そしてリストラによって、住宅困窮者が増加しています。政府が進めている中堅所得者向けの住宅政策では解決できないほど深刻な実態があります。また中心市街地の空洞化を防ぐためにも若い人たちが市内で定住し、子育てに励み、生活できる環境をつくることは重要だと思います。そこで本市の住宅政策について3点お聞きします。その一は、住宅困窮者の増加と市営住宅の新増設についてどのように考えているのか。その二は、若者世帯定着のための家賃補助についてです。新婚世帯への家賃補助や、民間住宅の空き家などを利用して、年齢の上限を設けて、その期間、低額に貸出しをするなど、検討する考えはありませんか。その三は自立と認定された特養入所者の退去先についてです。ご答弁願います。
この質問の二つ目は地域経済振興条例の制定についてです。農林水産業、都市の地域産業を自立的な方向で確立し、地域経済の基盤を整備するためにも地域経済振興条例の制定を行い、商業、工業、建設業など分野ごとの振興プランをたてて支援するお考えはありませんか。
この質問の三つ目は、合併問題と住民意思の尊重の問題です。市町村の配置分合にあたっては住民投票の実施を求めます。特に現在のように国策として「市町村合併特例法」がつくられて合併推進策が進められているもとでは、住民投票が必要です。憲法第95条からするならば、市町村合併特例法という特別法を自らの自治体へ適用するかどうかは、当然そこの住民の投票によって決定されるのが趣旨ではないでしょうか。市長の御所見をお伺いします。
次に合併と市民サービスの向上についてお聞きします。パンフ「中核市から政令指定都市へ」では、効率的な市政運営により市民サービスを向上させることをその目的の一つにとしています。管理部門の統合により、それらの職員を市民に密接なサービスを提供する部門に充てることができるからだといっています。本当でしょうか。政府が進める「公務員制度改革」によれば「企画立案と執行の分離を進める」といい、「執行事務については、独立行政法人化を進め、公務員でなければ取り扱えない事務以外は外部委託等を活用とする」と明記しています。この政府方針とパンフでいう職員配置の方針は正反対の方向ではありませんか。実際には、総務、企画部門を減らした上に、直接サービス部門も切り捨てるということになりかねない。自治体リストラにつながるのではありませんか。また、合併の連続は、新卒職員の雇用を狭め、職員構成の歪みをもたらす要因になるのではないでしょうか。そこでお伺いします。合併は究極の自治体リストラではないか。また、旧黒埼町合併後の市職員新規採用実績と今後の見通しについて、お答えください。
次に、専門職員の採用や組織の確立と、行政組織のスリム化は両立するかについてお聞きします。パンフは県からの権限移譲もあり、少ない経費でより高い水準の行政サービスの提供ができるといいます。できるのでしょうか。県からの移譲された事務を扱う専門職員を採用し、また組織を確立し、しかも行政サービスを安定的に供給するとなると、かなりの財政力が必要です。しかし、財政基盤の充実といっても、今考えられていることは、「行政の効率化」によって財政基盤を強くしようというもので、職員数や議員数を削減し、全体として行政組織の規模をスリムにして財政力を生み出そういうもので、決して地域経済の発展で税収が見込めるというものではありません。果たして高い水準の行政サービスと行政組織のスリム化は両立するのでしょうか。市長の見解をお伺いします。
現在、ゴミ収集業務の見直しが進められています。収集業務を民間は2人体制で行っているから、現在の3人体制から2人体制に見直しをはかるというのです。大型ゴミ収集車を使って、安全に業務を行うには3人が必要として、労使確認のうえで続けられてきたのが現在の3人体制ではありませんか。安全は担保されたのでしょうか。しかも日常業務だけをこなすだけではありません。災害となれば復旧の先頭に立ってきたのが公務労働者です。阪神大震災の残した教訓も、「リストラは震災に弱いまちをつくる」であったはずです。8.4の水害で濡れ畳を一気に回収できたのは清掃センター職員の奮闘でした。信じられないのは、清掃センター職員が、市民サービスの向上はかるために、独居老人や体の不自由な方の家を個別に回ってゴミを回収すること、古紙回収などのリサイクルなど業務提案しても、それを聞かないという当局の態度です。これは事実でしょうか。事実とすれば、職員自らの仕事や公務労働に対する誇りや自信が失われます。こうした職員の意識向上を妨げる「事業見直し」については即刻中止すべきではありませんか。市長の答弁を求めます。現業、現場、現物を失った自治体行政は、官僚機構化とそれに寄生した営利主義を呼び起こし、自治体の空洞化を許すことにつながると考えます。市長はどう考えているのでしょうか。
次の質問は、本市農業と「地域水田農業ビジョン」の取り組みについてであります。この夏の異常気象で、冷害によるコメ不作が確実視されています。農水省が先月発表した米の作柄調査によると、今年度産米は、米パニックになった93年以来の不作が避けられない見通しです。政府は、備蓄が150万トンあるから心配はいらないと言いますが、政府備蓄米の105万トンは99年以前の古米、古々米です。すでに昨年産米は、新米価格の急騰対策に放出しており、どこまで主食に使えるかが問題です。市長には、不作が確定的な中で、被害の拡大を抑え、必要なコメ・食料供給や価格の安定をさせるために全力を尽くしていただくことを強く要望し、本市の水稲の作柄状況と供給見込みについて、また、来年度の減反面積はどうなるのか、以上2点についてお伺いします。
合併議論が進められるもと、農業の再生が大きな課題となっています。周辺市町村の財政困難が地域経済の衰退、とりわけ主産業である農業の衰退が起因しているからです。政府は「稲作所得が全国で一兆円も減り、減反面積が100万fを超えた」「現在の米政策がこのまま続けば、果てしない縮小生産のサイクルに入る」などと言い始めています。人ごとのように言いますが、「現在の米政策」は歴代自民党政権の政策の結果です。米価暴落と減反拡大の最大の原因はミニアクセス米の輸入です。外米の年間輸入量は77万トン。水田面積に換算すれば15万f。増えた減反の大部分はミニマムアクセスによることは明らかです。ここに目をむけないで、米価格は市場に委ねて、政府が責任回避するような姿勢では、農業の自立は成り立ちません。まじめに本市が農業振興策を考えるならば、政府の米政策を抜本的に転換させる決意がなければ、具体的な支援策は生まれないだろうと私は思います。地域経済の衰退は、「現在の米政策」の結果ではないか、その転換を求めていくべきと考えます。市長の見解を求めます。地域水田農業ビジョンの取り組みについてお聞きします。来年度から「米政策改革大綱」が実施に移されるに従い、今年度中に水田の利用方法や担い手育成、作物の作付けなどを定める地域水田農業ビジョンを作成しなければなりません。大綱は、これまでのコメ政策を抜本的に見直し、生産調整、過剰米処理は農家の責任で行い、価格、流通も市場原理にゆだねられ、政府は米政策から基本的に手をひくことになります。現行の転作奨励金は産地づくり交付金に変わり、地域への一括交付となり、農家個々の支援策としては「担い手経営安定対策」が設けられますが、4f以上の大規模農家に限定されます。本市では約300世帯ほどになると見られ、良質米産地の本市農家からさえ、将来のコメづくりに不安の声があがっています。そこで伺います。地域水田農業ビジョンに対する本市の基本的考え方はどうか。地域農業マスタープランとの相違点はあるのか。また、この具体化にあたり農業の担い手を絞れると考えているのか。また、産地づくり交付金の活用についてどのようなことを考えているのか。策定には、農民とともに考える姿勢が必要と考えるがいかがでしょうか。以上、お答えください。市の対策として家族経営を基本にしながら、高齢者、兼業農家、大規模農家がそれぞれの役割を果たしながら地域、集落を維持し、持続可能な農業をつくるべき支援を積極的にすべきと考えます。
次の質問は、本市の治水対策と特定都市河川浸水被害対策法についてであります。
本市を襲った平成10年8.4水害による激特事業も今年度末で終了します。この間、本市は下水道の整備を促進、雨水流出抑制施設を設置し、流域の貯留・浸透機能の確保、増進をはかってきました。しかし、「時間あたり50ミリを上回る豪雨が発生するとどうなるのか」、住民の不安は消えません。近年の豪雨状況をみると時間あたり75〜100ミリの豪雨が年間10〜45回も発生し、100ミリを超える滝のような雨はここ数年毎年3〜10回発生しています。都市型水害はいつ起きてもおかしくないという構えが大切ではないでしょうか。河川、下水道の整備などハードな洪水防止対策を今後どうすすめるのかとともに、洪水氾濫の恐れのある区域に対して土地利用計画のありかた、洪水時における警戒避難態勢、出水時の各種情報を流域住民へ速やかに伝達するシステム構築、湛水に対する交通管理システムなど、ソフト的な防災対策の備えが急がれると思います。激特事業が終了するなかで、市長は、本市に求められる総合的な治水対策について、どのような見解をお持ちでしょうか。さて、国においても頻発する都市水害に対し、河川管理者、下水道管理者、地方公共団体が一体となった総合的な浸水被害対策が必要であるとの考えから特定都市河川浸水被害対策法をこの6月に成立させました。特定都市河川浸水被害対策法について、どのような評価をされておりますか。また、通船川及び栗の木川、鳥屋野潟をそれぞれ特定都市河川に指定し、その流域市街地を特定都市河川流域に指定するよう国、県に要請し、都市水害防止に万全を尽くしていただきたいと思いますが、市長はどのような見解をお持ちでしょうか。
亀田郷地域の雨水計画についてお伺いします。その一点は親松排水場の更新事業の見通しについてです。亀田郷地域の常時排水のほか地域の湛水、浸水被害の防止に大きな役割を果たしてきた親松排水機場が老朽化し、その更新が計画されているところですが、予定どおりに事業は進むのでしょうか。次に土地利用変化に伴う木戸・石山地区の雨水対策についてお聞きします。鳥屋野潟排水機場の排水能力は親松排水機場の排水能力と合わせて100毎秒立方メートルになりますが、亀田郷東側に位置する木戸、石山地区の雨水対策はこれで安心できるのしょうか。鳥屋野潟の排水能力があがっても、そこにつながる栗の木川、本所排水路、大石排水路の河道整備がなければ能力は発揮できないのではありませんか。平成10年以降でも、木戸、石山地区は周辺市街地の拡大、高速道路の完成、さらに30f総合卸センターの宅地化などによる土地利用が大きく変化し、遊水地が減少しています。亀田郷東側の雨水計画を新たに検討することが必要です。お答えください。
最後の質問は、地域経済の活性化をめざす具体的提案を行い市長の答弁を求めます。
その一つは、小規模工事登録制度の導入についてであります。小規模工事登録制度は、長引く不況で、仕事がなく市税も払えないほど困っている零細業者に、行政から直接仕事を提供することで、入札資格のない零細業者にも受注機会をひろげ、営業を続けられるようにすべきではないかと昨年、3月議会各派代表質問で日本共産党新潟市議団が初めて取り上げました。その後、新潟民主商工会など業者団体からも早期実施の要望が出されています。全国ではすでに多くの自治体でこの制度が実施され零細業者から大変喜ばれています。県内でも市として初めて上越市がこの9月1日から制度をスタートさせています。昨年9月議会の目崎議員の質問にも検討を約束しています。地域経済を下支えしている零細業者の「仕事確保」のために、新潟市でも小規模工事登録制度を速やかに創設くださるよう市長の英断を求めるものです。
その二つめは仮称・いちごクラスターの展開についてであります。私は昨年12月本会議で、地産地消とともに「農家と企業」との連携の必要性を唱えました。その連携をすすめる一つの方法を提案します。ある大手食品メーカーがマヨネーズの販促キャンペーンとして「ベジタブルブランド」という企画を実施し、野菜の生産地と生産者・消費者をつなぐ交流イベントを実施しました。本市にもこのような発想が今必要ではないでしょうか。新潟には、「越後姫」という全国誇れるいちごの品種があります。新潟市園芸センターと本市の農家に育てられた日本一の「いちご」だと私は思っています。例えば、この越後姫を使ってお菓子づくりなどに取り組むクラスターの構築をすすめ、地域産業の活性化に向けた施策の展開は考えられないでしょうか。農家が地域のお菓子屋と組んで、越後姫を使ったお菓子を創作する。そのお菓子を飲食店、レストランで提供する。また、お菓子づくりを通して消費を高めるために菓子コンペを行い、そのお菓子のレシピを市民に紹介し、家庭でもお菓子づくりをすすめて、消費拡大をめざす。すでにこうした取り組みは札幌市で試みられています。また、農水省は、グリーン・ツーリズムの推進を通じて、地域ぐるみによる交流ビジネスの起業化に支援するとしています。こうしたグリーン・ツーリズムの事業も生かしながら、クラスターをひろげ地域経済の活性化にむけた施策の取り組みが急がれるのではありませんか。市長の答弁を求めます。以上であります。
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