| 1、 |
「武力攻撃の恐れのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」までが「武力攻撃事態」とされており、その範囲・概念は極めて曖昧である。政府の判断によりどのようにも「武力攻撃事態」を認定することが可能であり、しかも国会の承認は「対処措置」実行後になされることから、政府の認定を追認するものとなる恐れが大きいこと。 |
| 2、 |
いったん内閣により「武力攻撃事態」の認定が行われると、陣地構築、軍事物資の確保などのため私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物資の輸送、戦傷者治療などのための市民に対する役務の強制、交通、通信、経済などの市民生活・経済活動の規制などを行うことにより、市民の基本的人権を大きく制限することとなるが、これは憲法規範の中核をなす基本的人権保障の原理を変質させる重大な危険性を有すること。 |
| 3、 |
曖昧な概念の下で拡張された「武力攻撃事態」におかれる自衛隊の行動は、憲法の定める平和主義の原理、憲法9条の戦争放棄、軍備および交戦権の否認に抵触するのではないかとの重大な疑念が存在すること。また、周辺事態法と連動して、米軍が主体的に関与する戦争あるいは紛争にわが国を参加させることにより、日米の共同行動すなわち個別的自衛権の枠を越えた「集団的自衛権の行使」となり、わが国に対する攻撃を招く危険を生じさせること。 |
| 4、 |
武力の行使、情報。経済の統制などを含む幅広い事態対処権限を内閣総理大臣に集中し、その事務を内閣の「対策本部」に所掌させることは、行政権は合議体である内閣に属するとの憲法規定と抵触し、また内閣総理大臣の地方公共団体に対する指示権および地方公共団体が行う措置を直接実施する権限は地方自治の本旨に反し、憲法が定める民主的な統治構造を変容させ、民主政治の基盤を侵食ことする危険性を有すること。 |
| 5、 |
NHKなどの放送機関を指定公共機関とし、これらに対し、「必要な措置を実施する責務」を負わせ、内閣総理大臣が、対処措置を実施すべきことを指示し、実施されない時は自ら直接対処措置を実施することができるようにすることによりね、政府が放送メディアを統制下に置き、市民の知る権利、メディアの権力監視機能、報道の自由を侵害し、国民主権と民主主義の基盤を崩壊させる危険を有すること。 以上のように、「有事法制は、武力または軍事力の行使を許容するための強大な権限を内閣総理大臣に付与する授権法であり、基本的人権侵害のおそれ、平和原則への抵触の恐れだけでなく、憲法が予定する民主的な統治構造を変容させ、地方公共団体、メディアを含む指定公共機関の責務と内閣総理大臣の指示権、直接実施権および国民の協力・努力義務を定めることにより、国家総動員体制への道を切り開く重大な危険性を有するものである。」として有事法制反対・廃止を強く求めています。 |