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一般会計など予算関連議案への反対討論(鈴木議員)

 日本共産党市会議員団を代表して討論を行います。
 日本共産党市議団は,本議会に提案されている諸議案のうち,議案第1号,議案第2号,議案第9号,議案第15号,議案第16号,議案第19号,議案第20号,議案第27号から33号,議案第35号,議案第41号,議案第53号に反対の立場を表明し,その他の議案については賛成の立場を表明しております。
 私どもの立場は,代表質問,一般質問,局部長質疑で明らかであり,常任委員会の審査でも意見を述べております。ここでは,その基本点と幾つかの問題について討論を行います。
 周知のように,今格差社会と貧困の広がりが大きな問題になっている中で,自民,公明によって成立した小泉内閣の2006年度政府予算は,定率減税の廃止に加えて,高齢者の医療費自己負担増などが新たに盛り込まれ,国民への影響額は年間約2兆7,000億円にも上ります。小泉内閣が決定し,既に決定されている今後3年間に実施される負担増の年間3兆9,000億円を合わせますと約6兆6,000億円。'02年から'05年度の4年間に実施された6兆7,000億円を含めれば,7年間で小泉内閣が国民に押しつけようとしている負担額は13兆円を超える規模となります。この負担増は,年金生活の高齢者の場合,一層深刻になります。
 その上で,2007年度をめどに「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでいく」と与党の税制改正大綱は明記しています。本格的大増税へ,さらに一歩進める内容であります。
 その一方で,大型公共事業のむだ遣いを復活,継続するとともに,史上最高の利益を上げている大企業などに対する優遇税制には手をつけず,また「三位一体の改革」による国庫補助負担金と地方交付税の削減及び不十分な税源移譲は,地方財政に深刻な影響を与えるものであります。経済回復と国民生活の安定のためには,年金,介護など必要な社会保障の拡充,災害対策の強化,雇用,中小企業,農業の危機打開,地方の税財源拡充などのために予算を重点的に配分することこそ求められているのであります。
 本市においては,篠田市長が「選択と集中」と称して,就学援助や生活保護世帯に対する夏季,年末の見舞品制度を減額,廃止するなど,新潟市がこれまでひとみのごとく大切にしてきた市民福祉を一方的に切り捨てる一方で,新潟駅周辺整備事業に着手するなど大型開発のむだ遣いを推進し,民営化や民間委託,PFIなど自治体としての責任放棄と営利企業化を推し進め,まさに大企業,銀行喜び,市民泣くというべき市政に大きくかじをとりました。
 この2月に,教育委員会で業者と教師の癒着が発覚,逮捕される事件が起きました。官製談合事件では,市長並びに特別職の報酬減額,70名の職員の処分を行いながらも,その苦い教訓は生かされておりません。真相究明と責任の所在を不問にしたままの処理では,不正と腐敗の温床は一掃されません。これでは,市政への市民の信頼は取り戻せないのではありませんか。
 今新潟市政に求められていることは,公正公平,清潔な市政を貫くことは当然として,土木型・投資的経費財政のあり方を根本から改める必要があります。そして,暮らしと福祉を充実させ,雇用と中小企業対策を強化して,景気回復と財政健全化の道を切り開くことではないでしょうか。
 ところが,新潟市の2006年度予算案は,小泉内閣の「庶民増税」によって約38万人の市民が約24億円の実質増税になるにもかかわらず,国保料,介護保険料の引き上げなど,市民に大幅な負担増を強いるものとなっております。しかも,依然として厳しい財政環境にあるとして,篠田市長は就学援助や生活保護世帯への「見舞品制度」など,教育や福祉など生活関連予算を抑制,削減する一方で,不要不急との市民の声が強い新潟駅周辺整備事業の着手,新潟空港への新幹線乗り入れや空港3,000メートル化,羽越線の高速化,いわゆる4点セットと合併建設計画へ予算の「選択と集中」を行いました。
 一般会計の歳入は,地方交付税の縮減など税財源の減少が顕著ですが,その不足分を基金の70億円取り崩し,多額の市債発行などで埋め合わせするなど,財政運営はまさに綱渡りの危機的状況であります。歳出面では,保育料の軽減など子育て支援の一定の拡充は図られているものの,高齢者,低所得者への負担増には何の軽減策もとられておりません。市営住宅の新設がゼロ。昨年1月末の調べですが,旧新潟市内だけで6,981名の申込者を抱える特別養護老人ホームの新規建設はゼロ。制度融資の預託金及び人件費を除く農業振興対策費は約8億円,商工振興費は11億円にしかすぎません。これを合わせて,一般会計予算のわずか0.6%にしかすぎないのであります。生活保護費を初め福祉予算は抑制され,国保料は1世帯平均9.4%の値上げ,介護保険料は第1号保険料を12.1%値上げするなど,負担増が押しつけられています。これに「庶民増税」の影響による値上げ分も自動的に加わります。合併された市町村の中からは,「こんなはずではなかった」との不安と不満の声が上がっております。
 また,経費削減をねらった学校給食の民間委託化,公立保育園の民営化,家庭ごみ有料化の方針など次々と明らかにして,「効率化」「適正化」の名で福祉や暮らしにかかわる補助金カットや職員減らしを進めています。一方,全体総事業費1,445億円と見込む新潟駅周辺整備事業に着手。事業効果も投資効果も市民の前に説明することなく,大型開発に莫大な予算が組まれております。
 以上のように,篠田市長の2006年度予算案は,大企業,銀行のもうけのための大型開発に足を踏み出し,暮らしや福祉の充実を求める市民の切実な願いに背を向け,市民の犠牲を一層強めるものであり,こうした予算案に日本共産党新潟市議団は賛同することはできません。
 地方自治体は,本来住民の福祉の増進を図ることが責務です。国が悪政を押しつけている今こそ本来の役割を発揮し,悪政の防波堤となり,頑張るべきです。そのために,次の点を篠田市長に求めるものであります。
 その一つは,市民生活と地域経済を立て直す上で,雇用と中小企業対策,農業対策を強めることが重要ですが,具体策は見えてきません。市長は,本市職員を増員して教育,福祉,消防などの公的分野の雇用拡大に努めることとあわせ,中小企業対策費を大幅に増額し,中小企業向け官公需発注を大幅に拡大し,仕事確保を図るとともに,公共工事の下請まで適正な賃金が支払われるよう改善策を講じるべきです。また,地場中小建設業者の仕事づくりと景気対策として大きな効果が期待できる住宅リフォーム助成制度の早急な創設を要望するものであります。
 本市の基幹産業である農業においては,規模拡大一辺倒の政策を改め,画一的な補助の押しつけではなく,地域の実情や当事者の自主性を尊重した政策に切りかえることこそ重要ではないでしょうか。学校給食,直売所,産直など,多様な販路の開拓でつくる農家をふやし,地域活性化を図ろうとしているすべての農家を支援するとともに,農産物の価格保障制度の充実など,家族経営を基本に担い手を育てる対策を充実させるよう求めるものであります。
 その二つは,未来をつくる子供たちに予算を増額すべきであります。篠田市長のもとで公立保育園の民営化方針が明らかになっております。問題であります。この民営化方針は,単に歳出削減が目的であり,まさに保育行政の責任を放棄するものにほかならず,「保育の向上」などというのは全くの詭弁であります。公立保育園の民営化はやめるとともに,保育園新設などによる待機児の解消や民間保育園補助金の増額,保育料の引き下げなど,保育の充実に責任を果たすべきであります。
 また,ひまわりクラブについては,その必要性がますます高まっており,希望者全員が入会できるよう施設の拡張,改善,指導員体制の拡充と労働条件改善など充実するとともに,父母負担の軽減を図るべきであります。
 その三つは,教育についてであります。政府は,教育基本法の改悪を進めようとしていますが,教育基本法は前文で,憲法の理想の実現における教育の役割を示し,「真理と平和を希求する人間の育成」をうたっていますが,一人ひとりが大事にされ,人格の個性的な開花を進めることが今日ほど求められているときはありません。教育行政の権限を強化し,教育内容をゆがめ,愛国心を強制する教育基本法改悪にきっぱり反対するよう市長に求めるものであります。また,国の義務教育の国庫負担金の廃止,削減に反対するとともに,教育予算を大幅に増額すべきです。特に少人数学級については,教職員を増員してすべての学年で30人学級を実現することを要求するものであります。
 一方,本市は学校給食を民間委託化する方向を鮮明にしてきました。看過することはできません。生徒の給食利用率が年々減少傾向による本市の中学校民間委託方式では教育効果は上がりません。学校給食は教育として位置づけ,直営自校方式を堅持すべきであります。
 その四つは,公平公正で清潔な行政運営,住民自治,市民の安全と平和を守る問題であります。いわゆる旧巻町を含む8区の救命救急体制を旧巻町との合併建設計画のとおり遵守し,市の責任で整備するよう求めるものであります。
 本市の官製談合事件発覚後も汚職腐敗事件が発生しました。政官業の癒着の一掃は,緊急かつ欠くことのできない重要課題であります。談合防止のため,公契約条例の検討,天下り禁止条例制定を要求するものであります。また,すべての外郭団体,指定管理者の情報公開を徹底するとともに,市の退職幹部の外郭団体や利害関係のある民間企業への天下りを禁止することを求めるものであります。
 政府による自衛隊のイラク派兵は,憲法を踏みにじるとともに,平和の国際秩序の流れから日本を孤立させるものであります。市長は,政府に自衛隊の即時撤退を強く要求するとともに,日本国憲法を擁護することを鮮明にし,対岸諸国との交流拡大,北東アジアの平和に貢献するよう求めるものであります。
 以上,市民の生活実態を直視し,本来の自治体にふさわしく,市民の暮らしを守ることを中心に置いた予算案に組み替えられるよう強く求めるものでございます。
 次に,我が党が反対します議案のうち,幾つかの問題について,その理由を明らかにしておきます。
 第1は,議案第2号及び議案第41号,国民健康保険料の大幅値上げについてであります。国保料の値上げについて提案をされております。当局の資料により,総収入233万円,65歳の年金生活者2人世帯をモデルにしたケースで試算しますと,現行保険料10万500円から11万5,600円へはね上がります。突然1万5,100円もの負担がふえる。2年後には4万5,100円も負担がふえるというのは,ひどい痛みではありませんか。ここでも市民生活の実態が直視されておりません。今回の値上げ理由は,国保会計の基金が枯渇し,赤字会計になることを防ぐためとされておりますが,文字どおり新潟市の一般会計からの繰り入れを大きくふやすことこそ行うべきで,低所得者に負担をかぶせるようなことはすべきではありません。
 2月現在,高過ぎて払い切れないのに,1,123件以上の資格証明書を発行して,市民の医療を受ける権利を制限している本市において,このような国民健康保険料の大幅な値上げ,相次ぐ負担増が実施されることは,さらに滞納者をふやし,払えない人からさらに保険証を取り上げる。これは,悪のサイクルの拡大であります。これが社会保障制度と言えるのでしょうか。まさに金の切れ目が命の切れ目となっております。
 国民健康保険制度を維持していくためには,国が国庫負担割合を従前に戻すことが必要です。また,その働きかけを国に対し,強く求めることであります。私どもは,市長の一般会計からの繰り入れを評価するものですが,払える保険料とするために引き続き努力することを求めるとともに,保険証は原則交付し,また減免制度を拡充して,市民が安心して医療を受けることができるようにすべきであります。強く求めるものであります。
 第2は,議案第19号,議案第20号,議案第27号から33号,特殊勤務手当及び給与条例一部改正についてであります。新潟市は,「新潟市行政改革プラン2005」「民間委託方針等の推進方針」「第2次定員適正化計画」を公表し,職員削減,民間活力の導入を推進し,17年度から21年度,この5年間で総額191億円の市民サービス予算の削減,人件費削減の方向を示しています。これを具体化するための条例提案ではないでしょうか。この間,市職員の人件費削減が繰り返されております。この削減は,市職員の暮らしを直撃するばかりか,市民の暮らしの悪化,地域経済の悪化につながることを強く指摘するものであります。
 日本共産党新潟市議団は,公務労働の役割をしっかりと評価する立場からも,国民全体の所得の向上を目指す立場からも,このような賃金抑制策はやめるよう求めるものであります。また,こうした流れは,行政の仕事の民間開放を促進し,市民に自立,自助を強要して公的役割の後退と公共サービスを削減し,市民の負担増を推し進め,民間投資の呼び込みによる開発を進めることにつながることも指摘をしておくものであります。
 第3は,議案第9号及び議案第53号,介護保険事業会計についてであります。介護保険料は,第1号保険料を12.1%値上げするなど負担増が押しつけられております。本市の介護保険料は,現行合併市町村で不均一料金となっており,今回の基準額設定で新津・豊栄地域では25.3%,白根地域では30.3%,潟東・月潟地域では52.1%もの大幅な引き上げとなります。また,老年者非課税措置の廃止や住民税控除の見直しで3万2,000名余りの方の保険料が自動的に上がります。
 軽介護高齢者の在宅サービスの切り捨て,特養へのホテルコストの導入,保険料の引き上げなど,国の大改悪に市長は反対を表明すべきであります。また,高い保険料や重い利用料の負担の軽減を図るために,介護保険の国庫負担割合を当面30%まで拡大するよう要求するとともに,一般会計からの繰り入れ方針を市長が決断して,保険料の軽減や本市独自の保険料減免制度の拡充,利用料の減免・助成制度の創設を行うよう求めるものであります。
 議案第15号及び議案第16号,新潟市国民保護対策本部及び新潟市緊急対処事態対策本部条例の制定と新潟市国民保護協会条例制定が提起されております。また,予算案には国民保護計画策定事業として320万円が盛り込まれております。
 そもそも2004年に成立した国民保護法の背景には,2003年の武力攻撃事態法があり,そのねらいは有事の際に罰則つきで自治体や住民を戦争に協力させ,総動員することであります。ところが,地方自治体が国民保護計画,避難計画をつくろうとしても,米軍がどのような軍事行動を行うのか,自衛隊の支援行動はどう展開されるのかは機密事項として全く明らかになっておらず,架空の計画にならざるを得ません。
 81万市民の命と安全を守るためには,武力事態が発生することを想定し,国民保護計画をつくるのではなく,戦争を回避すること,そのためにも戦争の放棄,戦力の不保持,交戦権の否認をうたった憲法第9条をしっかり守り,憲法の平和の精神を地方自治に生かすことが重要と考えます。
 武力攻撃事態法第8条は,「国民の協力義務」を規定しています。武力攻撃事態発生の可能性をあおり,速やかな避難を訴える広報が展開され,戦争協力のための思想訓練が日常化するおそれがあります。市長は,平時の有事化につながる「国民保護条例」の制定について,市民の人権を踏みにじり,思想動員につながる危険性をはらんでいるとはお考えにならないのでしょうか。国言いなりをやめ,国民保護計画関連の条例案を撤回すべきと考えます。
 以上申し述べまして,討論を終わります。


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