|
国保料の値上げ中止をもとめる請願への討論 (渡辺議員)
◆渡辺有子 日本共産党市会議員団の渡辺有子でございます。
請願第32号国民健康保険料の値上げ中止を求めることについて,市民厚生常任委員長報告では不採択でありましたが,採択すべきとして反対討論を行います。
反対の理由第1は,市民の生活実態は,国民健康保険料の引き上げによる負担増に耐えられる環境にないことであります。小泉構造改革による痛みは耐えがたいものになっております。例えば新潟市においては公的年金控除の縮小で約5万6,000人,3億9,100万円,老年者控除の廃止で約2万9,000人,4億8,600万円,老年者非課税措置の廃止で約2万人,6,400万円,定率減税の半減では約36万1,000人,14億6,400万円の市民負担増になります。これらの影響は,特に65歳以上の国民健康保険加入者にとって極めて大きな負担増となり,これまでの連続する社会保障制度の改悪に加え,市民負担は既に限界を超えていると考えます。
負担増に苦しむ市民の中に,保険料の支払いが困難で3カ月しか有効期限のない短期保険証にされてしまった方がいました。しかし,高血圧の病気で治療をしないわけにはいきません。1日1回の薬により血圧のコントロールをすることが大切な治療であります。にもかかわらず,保険料の負担に加え,治療費の負担も重く,1日置きの服薬にしている方,また糖尿病で治療中の方は,定期的な検査が必要とされていながら,医療費の負担が重いことから3度に1度は検査をちゅうちょすることがあるということであります。負担ができないことを理由に病気治療に欠かせない服薬や検査を制限したり中止するような,まさに命にかかわる事態はあってはならないことであります。
国民健康保険制度が疾病,負傷,死亡などの原因で予期しない困窮に陥ることを未然に防止しようとする社会保障制度の根幹をなすものというのであれば,払えないような高過ぎる保険料や治療を制限しなければならないような医療費負担こそ軽減されるべきであります。市民の実態に照らせば,現在の国民健康保険制度は既に社会保障としての役割を果たしていないと言えます。その上,負担感は理解するが,事業運営の維持,継続のため保険料の引き上げをお願いするとあっては,まさに命にかえても制度を守れと言わんばかりで本末転倒と言わなければなりません。国民健康保険制度は,憲法第25条「すべての国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は,すべての生活部面において,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とする精神を受け,国民健康保険法第1条「国民健康保険事業の健全な運営を確保し,もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与する」としていることからも,今回の保険料引き上げには道理がありません。
理由の第2は,保険証の取り上げ,資格証明書の発行は,市民の命を奪いかねないことからであります。
資格証明書の発行は,納付相談の機会をより多く確保することが重要であり,今後とも継続するというのが市の姿勢であります。社会情勢の影響を受けやすい国民保険制度でありながら,市民の生活実態への考慮も配慮もないままに資格証明書の発行を続けているのであります。
全国でも資格証明書の発行はふえ続け,さらに深刻なことは,保険証の取り上げで死亡者が出ていることであります。「国保停止で11人死亡」,2005年12月29日付地方紙が1面トップで大きく報道,共同通信の配信で24紙が取り上げました。さらに,2006年1月27日,「しんぶん赤旗」が独自取材をし,「国保証取り上げで18人死亡」と報道,双方の記事から20人の死亡が確認されたとのことであります。
「国民健康保険の保険料滞納して保険証を返還し,医療機関の受診のおくれから病状が悪化し,死亡したと見られる患者が過去6年間に少なくとも11人いた。」「患者のほとんどは,不況の影響などによる低所得者という国民皆保険制度の中で,「格差社会」の一端を示した形だ。」「生活苦で国民健康保険の保険料が払えず,受診がおくれ,死亡につながったと見られる患者の存在がわかった。表面化したのは氷山の一角だろう。だれもが安心して病院にかかれる国民皆保険制度は,厳しい経済情勢の中で崩れ始めた」と報道しております。市民の命を奪いかねない保険証の取り上げ,資格証明書の発行は,市民の生命を守る国民健康保険の保険者である新潟市が行うべきことではないからであります。
理由の第3は,市はお金がないことを理由に保険料を引き上げながら,決算では2年連続して70億円規模の金余り,それを基金に積み立て,2年間で204億円から321億円へと基金を117億円もふやしているからであります。
値上げした国保料を引き下げるのに必要な財源は,年間二十数億円であります。新潟市の国保会計への繰り入れは,1世帯当たり約7,000円,政令指定都市の平均は約1万6,000円であります。新潟市は,かつて国保料は市民の負担の限界を超えているとして,1世帯2万6,041円を繰り入れてきました。市民の負担感を理解するのであれば,保険料の引き上げを行うべきではないことからも反対するものであります。
議員の皆様からの御理解,御賛同をお願いして,私の反対討論を終わります。
|